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東大客員教授 澤田先生のリスマネ道場

RISK MANEGAMENT TRAINING ROOM
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2019.02.25 UP
CASE08

2種類の点眼液の本数が足りないと不安になった患者

  • 処方チェック
  • 一般調剤
  • 服薬指導
  • その他

Incident何が起こったか?

点眼薬が交付された次の来局時、患者は「お薬手帳にはどちらも 5mL と書いてあるのに、片方は2本で、もう片方は1本しかもらわなかったけどどうしてか?」と不審そうに尋ねた。

Prescription処方内容は?

<処方1> 70 歳代の男性。診療所の眼科。オーダ/印字出力。

クラビット点眼液 0.5% 5mL 1日4回 両目に点眼
チモプトール XE
点眼液 0.5%
5mL 1日1回 右目に点眼

図.クラビット点眼液 0.5%(5mL)とチモプトール XE 点眼液 0.5%(2.5mL)の外観
(クラビット点眼液のボトル高さ:約 57mm、直径:約 20mm、チモプトール XE 点眼液のボトル高さ:約 51mm、直径:約 20mm)

<効能効果>
●クラビット点眼液 0.5%(レボフロキサシン水和物)
  眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、
  角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法
●チモプトール XE点眼液 0.5%(持続性チモロールマレイン酸塩)
  緑内障、高眼圧症

Historyどのような経緯で起こったか?

お薬手帳には次のように記載されていた。

クラビット点眼液 0.5% 5mL 1日4回 両目に点眼
チモプトール XE 点眼液 0.5% 5mL 1日1回 右目に点眼
薬剤師が、クラビット点眼液は1本が 5mL であり全1本、チモプトール XE 点眼液は1本が 2.5mL であり全2本であることを説明し、患者は納得した

Worst scenario最悪の事態

チモプトール XE 点眼液が足りなくなることで不安となる。

Assessment問題点の解析は? 何が問題か?

クラビット点眼液は1本 5mL であるが、チモプトール XE 点眼液は1本 2.5mL である。従って、患者に手渡される本数はクラビット点眼液1本とチモプトール XE 点眼液2本となるが、お薬手帳が mL 表記のため患者に実際の本数が伝わらなかった。
写真に示すように、点眼液自体に1本の容量は記載されている。しかし、字が小さくて患者の目に入らない可能性がある。更に、両点眼液の容量は相違しているものの、本体の大きさには大きな違いがない点も、患者が混乱した要因であろう。

Plan問題点回避の計画は? 確認ポイントは?

薬剤師は、投薬時にお薬手帳を患者と共に確認し、患者が十分に記載内容を理解していることを確認する。
患者の理解が十分でなかった場合は、お薬手帳の mL 表記の前か後に実際に交付される本数を書き添えるなど、さらに説明と必要な書き加えを行う(下線部分)。

クラビット点眼液 0.5% (1本) 全 5mL 1日4回 両目に点眼
チモプトール XE 点眼液 0.5% (2本) 全 5mL 1日1回 右目に点眼
点眼薬に限らず、外用剤はお薬手帳には mL や g で表記されることが多く、実際に交付される本数(個数)がわかりづらい場合が多い。また、同じ医薬品で多規格の容量が存在する場合もあるので補足説明が必要である。

Communication服薬指導は?

『こちらのクラビット点眼液は全量で 5mL ですが、1本に 5mL 入っていますので1本、チモプトール XE 点眼液は全量で 5mL ですが、1本に 2.5mL 入っていますので2本お出しします。』

Special instruction特記事項は?

[クラビット点眼液の薬効薬理など]
主な作用機序は DNA ジャイレース(トポイソメラーゼⅡ)活性およびトポイソメラーゼⅣ活性の阻害による細菌の DNA 合成阻害である。DNA ジャイレース(トポイソメラーゼⅡ)活性とトポイソメラーゼⅣ活性のどちらを強く阻害するかは細菌によって異なる。MIC(最小発育阻止濃度)と MBC(最小殺菌濃度)に大きな差異は認められず、その作用は殺菌的である。哺乳動物細胞のトポイソメラーゼⅡに対する阻害活性は、細菌の DNA ジャイレース(トポイソメラーゼⅡ)阻害活性およびトポイソメラーゼⅣ阻害活性よりはるかに弱いことが認められている。

クラビット点眼液のインタビューフォームを一部改変

[チモプトール XE 点眼液の薬効薬理など]
チモロールマレイン酸塩は眼部交感神経系のβ受容体に作用するβ受容体遮断薬である。眼圧下降作用機序の詳細は明らかではないが、主に房水産生の抑制によることが示唆されている。また、房水流出率の増加が関与するとの報告もある。 チモプトール点眼液は1日2回点眼の必要があったが、1日1回点眼での眼圧コントロールが患者の負担軽減につながるものとして、チモプトールXE点眼液が開発された。

チモプトール XE 点眼液のインタビューフォームを一部改変

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