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東大客員教授 澤田先生のリスマネ道場

RISK MANEGAMENT TRAINING ROOM
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2019.02.25 UP
CASE04

イトリゾールカプセル個装箱、"8 カプセル×7 シート入"のところ"10 カプセル×10 シート入"と思い込み誤調剤

  • 処方チェック
  • 一般調剤
  • 服薬指導
  • その他

Incident何が起こったか?

イトリゾールカプセル<イトラコナゾール>の PTP シートが 1 シート 8 カプセルであることに気がつかず、合計 14 カプセルを集薬すべきところ、1 シートと 4 カプセル(8+4 カプセル)だけ切り離して調剤したため、2 カプセル不足していた。

Prescription処方内容は?

<処方1> 80 歳代の女性。病院の内科。オーダ/印字出力。

イトリゾールカプセル
50 mg
1Cap 1日1回 朝食直後 14日分
ノルバスク錠 2.5 mg 1錠 1日1回 朝食後 14日分
ミカルディス錠 20 mg 1錠 1日1回 朝食後 14日分
テノーミン錠 25 mg 1錠 1日1回 朝食後 14日分
リスモダンカプセル 50 mg 2Cap 1日2回 朝夕食後 14日分
アスタットクリーム 1% 20g 塗布    

イトリゾールカプセル50 の PTPシートと個装箱の外観(両者で異なる部分に下線)を以下に示す。
(PTPシートの写真:ヤンセンファーマ株式会社ホームページより)

<効能効果>
●イトリゾールカプセル 50(イトラコナゾール)
・内臓真菌症(深在性真菌症)
  真菌血症、呼吸器真菌症、消化器真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎
・深在性皮膚真菌症
  スポロトリコーシス、クロモミコーシス
・表在性皮膚真菌症(爪白癬以外)
  白   癬:体部白癬、股部白癬、手白癬、足白癬、頭部白癬、ケルスス禿瘡、白癬性毛瘡
  カンジダ症:口腔カンジダ症、皮膚カンジダ症、爪カンジダ症、カンジダ性爪囲爪炎、
        カンジダ性毛瘡、慢性皮膚粘膜カンジダ症、癜風、マラセチア毛包炎
・爪白癬

Historyどのような経緯で起こったか?

イトリゾールカプセルが在庫切れだったため、医薬品卸に「最小包装」で急配の注文を出した。注文したイトリゾールカプセルが届くのを待って、前述のような調剤を行ってしまった。
幸い、鑑査者が 1 シートが 8 カプセルであることに気づいたため、患者には正しく薬を交付できた。

Worst scenario最悪の事態

イトリゾールカプセルが 2 日分不足し、充分な治療効果が得られない。

Assessment問題点の解析は? 何が問題か?

イトリゾールカプセルの最小包装が 56 カプセル(8 カプセル × 7 シート)であることを知らず、他の多くの医薬品と同様に 100 カプセル(10 カプセル × 10 シート)が最小包装であろうと思い込んでいた。
急いでいたこともあり、届いた医薬品の個装箱をしっかり確認せず、以前に在庫していたイトリゾールカプセル(1 シート 10 カプセル)と同じであると思い込んでしまった。
PTP シートの表面のシート色は相違しているものの、裏面のシート色(シルバー)および文字色(紺)、デザインは両シートとも同一であるため、間違いに気がつきにくかった。更に 8 カプセルシート、10 カプセルシートとも同じ大きさであり、区別がつきにくかった。

Plan問題点回避の計画は? 確認ポイントは?

1 シート 10 カプセル(錠)や 14 カプセル(錠)でないものがあること(今回は 8 カプセル)に注意する。さらに、今回のケースのように同じ薬剤であっても入り数の異なるシートが併売されている場合もあるので、十分に注意する。

Watchword標語は?

1 シートは 10 カプセル(錠)や 14 カプセル(錠)とは限らない!

Special instruction特記事項は?

[イトラコナゾールの薬効薬理など]
イトラコナゾールはトリアゾール系抗真菌薬であり、1980 年にベルギーのヤンセン社で合成された。広範で強い抗真菌活性と優れた組織移行性を有する。国内では 1993 年に承認され、内臓(深在性)真菌症、深在性及び表在性皮膚真菌症の適応を取得し、1999 年には爪真菌症に対する適応が、2004 年には爪白癬に対するパルス療法が承認されている。
 作用部位は、真菌の細胞膜の主要構成脂質であるエルゴステロールの生合成酵素(チトクローム P450)である。真菌細胞膜の主要構成物であるエルゴステロールは、その前駆体であるラノステロールのステロイド骨格上の 14α位の脱メチル化反応により生合成される。この脱メチル化反応がチトクローム P450 により誘導される反応であり、イトラコナゾールはこのチトクローム P450 を阻害し、エルゴステロールの生合成反応を阻害する。

イトリゾールカプセル 50 のインタビューフォームより

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