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メディセレ薬局 現場からの声

もしもの時に……

 皆さん、あけましておめでとうございます。今年もメディキャリとメディセレ薬局をよろしくお願いします。お正月には1年の目標を立てたりしますが、皆さんは何か目標を立てましたか?薬剤師国家試験を受験される方々は、国家試験合格が目標の一つだと思います。こういった目標は、掲げた時ははっきりと意識しているものですが、時間が経つと目標そのものだけではなく、目標を掲げたときの気持ちまで忘れていってしまいます。気持ちが薄れてしまうと、目標に向かう姿勢も薄れていってしまいますので、掲げた目標はどこか見えるところに書き留めておくといいかもしれません。今日は、目標ではないですが、「書き留めておく」ということについて少しお話をしたいと思います。

 エンディングノートはご存じですか?メディセレ薬局のある都島区では、エンディングノート「もしもの時に伝えたいこと」を配布しています。先日、メディセレ薬局の患者さんから「エンディングノートってなに?お薬手帳みたいなもの?お薬手帳なら持ってるで」とご質問をいただきました。

 人は誰しも亡くなる時が来ます。穏やかに眠るように亡くなることが理想的かもしれませんが、実際には様々な病気を抱えながら亡くなっていくことがほとんどです。それぞれの人生を終える際にどのような終わり方を希望するか、あまり考えることはないかもしれませんが実はとても大切なことです。どんなに苦しくても、意識が分からなくなっても、最後まで生きることを諦めたくないと考える人もいると思います。一方で、自分の意志が示せなくなったり、重度の医療的ケアや介護が必要になったりした時に、過度の延命治療を行って家族に負担をかけたくないと考える人もいると思います。どちらがよいというものではありません。人の生き方、そして人生の終え方は誰しもが自由に選んでよいものです。しかし、病気や事故で自分の人生の終え方を選ぶことができない時が突然来る、そんなことが誰にでも起こりえます。そうなった時に常日頃から、自分の人生の最後はこうしたい、こうして欲しい、ということを他者、特に家族や医療・介護を担う人たちに伝えておく必要があります。

 エンディングノートはそのような、自分の希望する人生の最後の在り方を書き留めておくものです。家族などの緊急連絡先やかかりつけ医、かかりつけ薬剤師、ケアマネージャー、訪問看護ステーションなどの頼りになる医療機関の情報はもちろんですが、いざという時に連絡をして欲しい友人、知人、恩人の名前や連絡先、終末期における治療の希望、延命治療を望むか望まないかなどを記載しておきます。
また、自分に関すること以外も書き留めておくことが大切です。財産というと大げさかもしれませんが、資産の情報も大切です。どこにどれぐらいのお金があるのかを分かるようにしておくことは、自身の治療に使う場合にも、残された家族を支える場合にも、とても大切です。ペットを飼っている人は、自分がお世話をできなくなった時にペットをどうしてほしいか、どんな性格と個性のあるペットなのかを伝えることも、ペットの残りの生活のためにはとても大切なことです。
自分の意志や希望がうまく伝えられなくなった時に、家族が本人の希望が分からずに迷ったり悩んだりせず、大切な人の希望を叶える手助けができるようになるのがエンディングノートです。
都島区ではエンディングノートと合わせて、お薬手帳と一緒に持ち歩ける「もしもの時に伝えるシート」を、区内の医療機関や薬局等で配布しています。「もしもの時」にかかりつけ医療機関、延命治療の有無、そして今日紹介したエンディングノートの場所を記載してお薬手帳に挟んでおけるシートです。

 誰もが、自分の人生の最後はこんな感じで締めくくりたいと思い描いているにもかかわらず、そのことを誰にも伝えずに生きているのではないでしょうか。元気なうちにそういう事を家族などに話すのはとても照れくさいと思います。なのでこっそり(?)と書き留めておくことが大切になってきます。1月は1年の目標を書き留めておくことが大切だとお話をしましたが、2024年の1月は、この先の人生の大切なことを少し考えて、書き留めておくお正月にしてみるのもよいかもしれません。

参考:都島区「エンディングノート「もしもの時に伝えたいこと」を作成しました」
https://www.city.osaka.lg.jp/miyakojima/page/0000526710.html

メディセレ薬局 管理薬剤師

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