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メディセレ薬局 現場からの声

ピロリ菌について

皆さん、こんにちは!
今回はピロリ菌について取り上げたいと思います。
まずピロリ菌とは何でしょう?ピロリ菌は、強力なウレアーゼ産生能を有しており、胃内で尿素を分解してアンモニアを作り、慢性胃炎を惹起することによって萎縮性胃炎(すなわち胃粘膜の老化)を引き起こす菌です。
日本では現在、感染者数が約3,000~4,000万人といわれており、放置しておくと胃・十二指腸潰瘍や胃がんなど、重大な病気を引き起こすことから、わが国でもピロリ菌除菌が保険適用となっています。

感染診断の検査法としましては、内視鏡を使う方法と使わない方法があります。
内視鏡を使う診断方法には、主に「迅速ウレアーゼ試験」、「鏡検法」および「培養法」の3つがあります。
「迅速ウレアーゼ試験」は胃の組織を使って、ピロリ菌が作り出すアンモニアによる反応の有無を試薬で調べます。
「鏡検法」は組織中のピロリ菌の存在を顕微鏡で診断します。
「培養法」は胃の組織を培養して、ピロリ菌が増えるかどうかを調べます。

内視鏡を使わないピロリ菌の診断方法には、「尿素呼気試験」、血液や尿を用いた「抗体法」、「糞便中抗原測定」があります。
どれが一番良い検査法とかではなく、必要に応じて複数を組み合わせて用いることが重要とされています。

ではここから、除菌治療について述べます。
除菌治療はまず一次除菌を行い、一次除菌で不成功(理由がありクラリスロマイシンを使用できない場合も含める)だった場合に、二次除菌を行います。
一次除菌は「プロトンポンプ阻害薬(PPI、ボノプラザンも含めます)+アモキシシリン(AMPC)+クラリスロマイシン(CAM)」を1日2回7日間連続服用、二次除菌は「PPI+AMPC+メトロニダゾール(MNZ)」を1日2回7日間連続服用という組み合わせです。
使用するPPIによって除菌率に若干の違いはあるとされていますが、どのPPIを使用しても構いません。
また近年は一部のPPIを用いてパック剤も発売されており、患者さんの服薬コンプライアンスを向上させる工夫もされています。

次に、服薬後の除菌判定について述べます。
除菌可否は、内服終了からしばらく経過後に、主に尿素呼気試験(または便中ピロリ菌抗原測定)を行い判定します。
(主に2ヵ月後以降とされていますが、医療機関によって1~6ヵ月後と判断が様々です。

除菌率は一次除菌が約80%以上、二次除菌が約90%以上とされており、除菌療法によって多くの患者さんのピロリ菌除菌に成功しています。

最後に、除菌後のフォローアップについて述べます。
まれに判定時の「偽陰性」からの「再燃」や、除菌できていたものの「再感染」のケースもありますので、年1回の上部消化管内視鏡検査によるフォローアップが推奨されています。
また、除菌後に胃粘膜の炎症の改善に伴い胃酸分泌が亢進する為、一時的に逆流性食道炎が増加することがありますので、暫くはPPIなどの服用を余儀なくされる症例もあります。

今回は以上ですが、薬学生の皆様はピロリ菌についていかがお考えでしょうか?
是非参考にして下さい!

メディセレ薬局 管理薬剤師 

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