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メディセレ薬局 現場からの声

近年の不眠症治療薬について

皆さん、こんにちは!
今回は近年の不眠症治療薬についてお話したいと思います。

睡眠薬は大きく「ベンゾジアゼピン系睡眠薬」 と「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」に大別されるのですが、近年は後者の「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」の処方が非常に増えてきた印象です。
これは元々、不眠症治療薬がベンゾジアゼピン系睡眠薬を主流としていましたが、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の開発が進み、依存性耐性が比較的少ないことから、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬で治療を開始することが多くなってきたためです。
代表的なベンゾジアゼピン系睡眠薬として、ハルシオン(トリアゾラム)、マイスリー(ゾルピデム)、アモバン(ゾピクロン)、ルネスタ(エスゾピクロン)、レンドルミン(ブロチゾラム)、サイレース(フルニトラゼパム)、ドラール(クアゼパム)があります。
これらはGABAa系(脳の興奮を抑える系)の抑制機構を増強することで睡眠を促すものと考えられています。
(厳密にいいますと、マイスリー、アモバン、ルネスタは非ベンゾジアゼピン系ですが、後ほど紹介するお薬と区別するため、今回はGABAa系の抑制機構を全てベンゾジアゼピン系に分類しております)入眠効果が非常に高い点は良いのですが、一方で、習慣性が強い点(特にハルシオンは習慣性が強いといえます)や、せん妄といった問題点があります。
そこで近年は、「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」を推奨するようになっています。
「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」には、先ほど挙げましたマイスリー、アモバン、ルネスタや、GABAa系以外では、「メラトニン受容体作動薬」と「オレキシン受容体拮抗薬」があり、これらのシェアが近年非常に伸びております。
「メラトニン受容体作動薬」にはロゼレム(ラメルテオン)があります。
こちらは、脳内の体内時計をつかさどる部位に作用し、睡眠覚醒リズムを調節する働きがあります。
添付文書では就寝前投与ですが、メラトニンが習慣的就床時間の1〜2時間前から分泌され始めるとされているため、一般的な就寝時間の1~2時間前である20時~21時頃の服薬も良いと言われています。
次に後者の「オレキシン受容体拮抗薬」にはベルソムラ(スボレキサント)とデエビゴ(レンボレキサント)があります。
こちらは、覚醒を促す物質(オレキシン)の働きを抑え、寝つきが悪い、熟睡できないなどの不眠症状を改善します。
こちらも添付文書上では就寝直前の服用ですが、服用後の効果がすぐではないため、就寝30分前~1時間前に服薬するのも良いと言われています。
ただし、メラトニン作動薬もオレキシン拮抗薬も、食事直後は吸収率が低下するため、空腹時に服用することが原則です。
ベルソムラが2014年に、デエビゴが2020年に発売されました。
オレキシン受容体には1受容体と2受容体があるのですが、2受容体がより覚醒に関与する受容体で、デエビゴの方が2受容体により親和性が高いとされており処方数が伸びている印象です。
今後の動向にも目が離せませんが、薬学生の皆様は睡眠薬についていかがお考えでしょうか?
是非参考にして下さい!

メディセレ薬局 管理薬剤師 密原 将志

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