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社長 児島惠美子のしゃっちょうは行く!

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2019.06.12 UP
vol.04

アメリカの薬局事情

こんにちは。メディセレのしゃっちょう、児島惠美子です。

さて私は起業して間もない頃、アメリカに行く機会をいただきました。薬業界においてアメリカは、日本の15年先を行っていると言われております。したがって、アメリカの薬業界は、今後の日本の薬業会の発展を考える上で貴重なモデルとなります。アメリカ随一のドラッグストアであるウォルグリーンやライトエイド、先進的な医療を行う総合病院ワシントンメディカルセンターなどを実際に見て参りました。特に大手ドラッグストアーは私にとって印象的で、広大な店舗に、レジ係が一人だけ、売り場係が一人だけ。棚は欠品だらけ…日本では考えられないことです。監視カメラ設備だけは万全でしたが、合理化、機械化が進んでいて人件費が削減され、利益が上がるという事からなのでしょうが、販売業、特に薬は「人から人へ」という温かさも必要ではないかと思いました。しかしながら、消費者には気付かない戦略(商品の配置や品揃え)があちらこちらにちりばめられており、かくいう私もその術中にはまりまして、予定外の買い物をしてしまう始末です。
ドラッグストアーの奥には調剤スペースがあり、日本では見られない、ボトル調剤、ペットの処方せん受付(飼い主は動物病院では薬をもらえません)も行っています。このような事からアメリカは医・薬の役割分担が日本より進んでいることがわかります。また、アメリカには処方せん枚数による薬剤師の人数制限(日本では薬剤師一人あたり、処方せん40枚)は存在しません。店舗によっては1人の薬剤師が150枚の処方せんを扱っています。これならば薬剤師の能力に応じて年収が決定されます。ドライブスルー薬局もアメリカにはしっかり根付いていました。
1980年代から約20年間、アメリカにおいて薬剤師は信頼される職業No1を誇っていました。9・11事件以降、消防士にその座を譲るまでは。薬剤師への信頼の礎となっているのは、もちろんしっかりとした知識や技術の裏付けによるものですが、ドライなアメリカ社会の中でeasy access(気楽に話しかけられる)、free access(医学的な相談に対して金銭を要求されない)が可能な薬剤師という存在はとても貴重なものなのでしょう。日本の薬剤師も処方せん40枚の制限を撤廃するかの議論が今、沸き起こっていますので、10年後にはアメリカのような高い社会的地位が確立されていることを願っています。

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